vol.06
発電に興味があったから
続けられている
教えてくれた先輩
技術部 品質管理課 K.Iさん(1984年度新卒入社)
1984年に新卒入社。40年以上のキャリアを持つ。技術部、サービス部では主に最終工程の試運転を担当し、現在は品質管理課で管理業務に従事する。
ずっと発電関係の仕事がしたかった。
新卒で入社されて40年以上ですが、キャリアを教えてください。
新しく設置されたエンジンに対して耐圧試験などをご自身でされていたのですか?
そうです。昔は官庁立会いでの使用前検査があり、500kW以上の自家発電設備に関しては全て官庁の検査を受ける必要がありました。その検査に受からないと建物が全て使えないといった、施主が受ける検査を代行していたんです。それから10年ほど経ち実績台数も増え、事故も減ったので規制緩和されて、現在のように自主検査でよくなりましたが、それまでは結構忙しかったですね。
先輩がハタノシステムに入社された理由を教えてください。
一番の理由は大学の先生の紹介です。私は大学で電気科を専攻していて、発電関係の仕事がしたくていろいろ受けてみましたが全部だめで、もう1年浪人しようかなと思っていた時に、先生がハタノを紹介してくれたんです。
興味がある事と仕事がちょうど合致したんですね。
そうですね。入社した時に、大学の授業で聞いていた言葉を現場で聞くようになったので、もっと勉強しておけばよかったな、と思いましたね。最初の頃は、大学の教科書を読み返して思い出したりしていましたが、今、新しく教科書を読もうと思っても全然頭に入ってこないので、勉強するなら若いときにやっておいた方がいいですね。経験を積むにつれて仕事のボリュームも増えてくるし、なかなか時間的に余裕もなくなってくると思うので、今のうちからやったほうが良いです。
確かに、我々も最初の基礎研修で先輩に教えていただいていますが、その時に出てくる内容が、大学で一度は聞いたことがあるワードばかりでした。
若手時代の経験があったから、どんな現場も怖くない。
今まで仕事で印象に残っていることはありますか?
私が入社して2年目か3年目くらいの時、バングラデシュにある当時のソビエト大使館に発電機を納める仕事があり、スーパーバイザーとして行くことになりました。滞在は1週間の予定だったのですが、まだ工事が終わってなくて、結局2週間ほど滞在することになりました。仕事としては、試験をして無事に稼働することを確認したら帰るというものでしたが、まだ入社して2、3年目なので分からないことだらけでした。特に制御という電気的な部分を詳しく知っているわけではなかったので、毎日夜中の3時ぐらいまでずっとシーケンス(電気回路図)を見ていました。その経験があったから、シーケンスを読めるようになり、どんな現場も怖くなくなりました。その時の経験は鮮明に覚えています。
すごいですね。2、3年目の若手を一人で行かせるなんて、それほど信頼されていたんでしょうね。
今思うと、会社もよく行かせてくれたなと思います。2週間してようやく日本に帰るわけですが、成田空港に先輩が迎えに来てくれたんですよ。それは涙が出るほど嬉しかったですね。夜でしたが、待っていてくれたんですよね。当時は携帯電話もなかったのに、よくその便で帰ると分かっていたなぁと思います。
素敵なエピソードですね。大変だった仕事は何でしょうか?
もう30年以上前、ハタノでは、コージェネレーションシステム(コジェネ)という電気と熱を提供するシステムを率先して納めていたので、そこのメンテナンスを任されていました。初めてのコジェネ導入ということもあり、いろんな不具合が起こるんです。私が担当していた現場は、どういうわけか日曜日になると調子悪くなるんですよね(笑)そうしているうちに重整備実施の運転時間をかなり超過してしまい、オーナーに重整備計画を薦めていた矢先に、エンジンが壊れてしまったんです。エンジンを丸々交換することになり、工期も1週間ぐらいでしたので、よく対応できたなと我ながら思います。
それまたすごい案件ですね。
その現場は24時間サウナだったのですが、発電機が2台あり交互に運転していた1台が壊れてしまいました。「発電機が回らないと営業出来ません」と言われて、残った1台をずっと回しているのでこれが壊れたらと思うともう怖かったですね。ヒヤヒヤしながら、エンジンの入れ替えをしたのを覚えています。サウナのオーナーさんが、ご飯を出してくれたり、風呂入って泊まって行けって言ってくれたりするんですが、エンジンの音がうっすら聞こえるので落ち着きませんでしたね(笑)
今のハタノでは、入れ替え作業は技術部の業務内容ですが、サービス部時代でも先輩がやられていたんですね。
もちろん、営業さんに手伝って貰いますが、その当時、現場のことは、ほとんど現場担当者が一人でやっていました。
同じ現場は絶対にない。些細なことでも疑問に思うことが大切。
先輩が長く活躍できる理由を教えてください。
高校の時から電気科を専攻して、発電に興味があったから続けられているんだと思います。分からないことを知りたいと思い、調べて、また分からないことが増えて徹底的に知ろうとし続けて、いつの間にか40年経っていました。不具合が起きて解決できたとしても、答えを一つに決めつけて終わりにしないことは大切です。基本の法則はありますが、実際の事象としては違った動きをすることもあるので、その原因解明を極めようとするといろんな要素が絡んできます。
発電機が設置されている場所が、海が近いとか山の中など、周辺の環境も要素に入りますよね。
そういう目で見ることは大事です。全く同じ設備を導入していても現場が異なれば同じ設定にならないことがあります。その変化に疑問を持つことが大切です。例えば圧力の数字がコンマ1違っていたら、なぜ違うのかを納得できるまで突き詰めることが大事。些細なことでも疑問に思ったらメモに残しておいて解消するという積み重ねが、今の自分に繋がっているんじゃないかなと思います。
すごく分かります。営業をしていても、物件はケースバイケースです。同じ設備とは思えないようなことがたくさん起こります。
ずっと言っていることがあって、同じ現場は絶対にないんです。何も起きない現場はないですし、何かしらあるんです。現場から帰ってきたら必ず報告書を出してもらいますが、たまに何も異常が無かったという報告書があると、そんなはず無いと思います。今でも現場に行けば気になるところは山のように出てきます。なので皆さんには、その時は分からなくてもいいので、なんでだろう?と疑問に思うことを大事にして欲しいですね。
サービス部K.A
40年以上のキャリアを積み、現在もなお第一線でご活躍されている方が大事にされている仕事への姿勢や考え方を知ることが出来ました。疑問を持ち、それを解決するために学ぼうとする姿勢は、Iさんだけでなく周りの先輩方も一緒です。この姿勢こそがハタノシステムで長年キャリアを築ける秘訣であると同時にハタノシステムが高い技術力と知識を保持している所以であると感じました。
営業部M.S
40年以上のキャリアがあっても、疑問点をメモして解消するというサイクルを欠かさず学び続けているという姿勢に感動しました。何年目になっても学ぶ姿勢を忘れず、挑戦し続ける自分でいたいです。
技術部D.N
自分のやりたいことを仕事で出来ているというお話の通り、いつでも力強く業務に取り組んでいるところをお見かけします。その背景には、体力的にも精神的にも、そしてもちろん知識的にも大変な案件を多く経験されてきているようで、より一層尊敬の念を抱くようになりました。業務を行う中で分からないことがあると、絶対に答えてくれると安心ができる、私の目指す人物像です!
最初は、技術部に配属されました。技術部では図面を書くことも少しだけやりましたが、現場の方が好きだったので先輩に連れて行って貰い、主に試運転をしてお客様に引き渡す最終工程を担当していました。サービス部に異動した後も同じように試運転を担当していました。後に今の品質管理課ができ、現場での最終検査をして、お客様に引き渡すようになりました。